15. チューニングシステムを使用する
Liveのデフォルト設定では、12平均律のチューニングを使用します。1オクターブあたりのノートのピッチが均等に12分割されます。 しかし、ピッチをオクターブまたは疑似オクターブ(ノートがオクターブとは違う間隔で繰り返す)に分割する方法は多数あり、チューニングシステムでこうしたバリエーションをつけることができます。
Live 12では Scalaファイル に対応しており、これをLiveセットに読み込むと、カスタマイズしたノートのチューニングを使用することができます。
Core Libraryにもさまざまなチューニングシステムが収録されていて、ブラウザーの[チューニング]ラベルに表示されます。 Core Libraryのチューニングファイルは、SCL(Scala)ファイル形式をAbleton用に特化させた ASCL という拡張子を使用します。

ブラウザー上で、チューニングシステムのファイルの上にマウスを移動したり選択すると、1オクターブあたりのノート数など、そのチューニングに関する簡単な説明文がインフォビューに表示されます。 この説明文は、[チューニングシステム] パネル内の名称にマウスを合わせた時にも表示されます。

Liveの[場所]内にあるフォルダーから、お持ちのSCLファイルやASCLファイルを追加すると、ブラウザーの[チューニング]ラベルの[User]タグに表示されます。

Liveの内蔵インストゥルメントは、すべてチューニングシステムの使用に対応しています。MPE対応のプラグインや外部のMax for Liveインストゥルメントでも、ピッチベンド範囲を48セミトーンに設定していれば、チューニングシステムを使用できます。
MPEに対応していないインストゥルメントや、ピッチベンド範囲が違う場合では、音程が外れて再生される場合があるのでご注意ください。
15.1 チューニングシステムを読み込む
セットにチューニングシステムを読み込むには、ブラウザー上でチューニングファイルをダブルクリックするか、ファイルを選択して Enter を押します。 これにより、デフォルトでは非表示になっているブラウザーの[チューニング]セクションが自動的に開きます。

[チューニング]セクションは、ブラウザーのビューコントロール・メニューからも開くことができます。

[チューニング]セクションには、コンピューター内にあるASCLやSCLファイルをドラッグ&ドロップすることもできます。 ファイルが[チューニング]セクション に読み込まれていれば、そのチューニングはLiveセットに保存されます。
Liveセットにチューニングシステムを追加すると、ピアノロール内には標準のMIDIノートが表示されなくなり、代わりにそのチューニングに対応したノートが表示されます。

ピアノロール内のノートの上にマウスを合わせると、ステータスバーにノートのピッチや周波数などの役立つ情報が表示されます。 ピアノルーラーまたは鍵盤でノートを演奏すると、指定したピッチで発音します。

デフォルトでは、チューニングシステムを削除したり他のチューニングに変更すると、ピアノロール内に元からあるノートの位置は変更されませんが、ノートルーラーに表示されるピッチは新しいチューニングに合うように更新されます。 つまり、元のノートが同じピッチで発音しない可能性があります。
[オプション]メニューの[チューニングシステムのロード時にセットを再チューニングする]をオンにすると、チューニングシステムの読み込みや変更時に、ピッチが元のノートと一致するようになり、メロディーができるだけオリジナルのメロディーに近い音で聞こえるようになります。 チューニングシステムを読み込む時に、このプロセスを確認するダイアログが表示されます。

ノートの自動再チューニングがオンの場合、チューニングシステムの削除や切り替えを行うと、元のノートが変更されたり消去される可能性があります。 これが発生するのは、同じ位置で異なるピッチを持つ2つのノートが、新しいチューニングシステムでは同じピッチにマッピングされる場合で、2つとも新しいピッチが元のピッチに近いためです。 このケースの場合、ノートの1つが削除されたり短くなることがあります。
なお、チューニングシステムを読み込むと、クリップビュー内にある[スケールモード]セレクターとコントロールが非表示になり、スケール認識 に対応するデバイスでは、[現在のスケールを使用]スイッチが無効になります。
15.2 チューニング・セクション
チューニングシステムのピッチ設定は、[チューニング]セクションからアクセスできます。

チューニングファイル名の横にある三角形のスイッチを使って、このセクションを展開表示したり、基準ピッチに対する最低ピッチと最高ピッチの詳細設定にアクセスできます。
- [Turning] にはチューニングシステムの名称が表示されます。
- [Octave] は基準ピッチに対して使用されるノートのオクターブを設定します。
- [Note] では基準ピッチに、オクターブ内のどのノートを使用するか設定します。
- [Ref. Pitch/Freq] では基準ピッチの周波数を設定します。 この周波数を変更すると、セット内のすべてのノートのピッチが上下します。
- [Lowest Note] はオクターブとピッチクラスにノートを割り当てて、最も低いノートでの発音を設定します。 最低ノートを変更すると、最高ノートにも影響しますが、その間のノート数は保持されます。
- [Highest Note] は最も高いノートでの発音を設定します。最高ノートを変更すると、最低ノートも更新されます。
基準ピッチの変化が聞こえるのは、[Ref. Pitch/Freq]の値のみであることに ご注意ください。 [Octave]や[Note]の値を変更すると、新たに指定されたノートに一致するよう[Ref. Pitch/Freq]スライダーに表示された周波数が更新されます。 ただし、基準ピッチの周波数の値が変更されるまでは、聞こえるような変化は生まれません。 これは[Octave]や[Note]の値を設定する時に、予期せぬピッチの変化を防ぐためです。
基準ピッチ周波数の右側にあるフロッピーディスクのボタンは、使用中のチューニングをASCLファイル形式で、ブラウザーの[チューニング]ラベル内に保存します。
[チューニングシステムを保存]ボタンの隣にある矢印ボタンは、ロードしたチューニングシステムの詳細情報が載っている Abletonのチューニングwebサイト へのリンクを開きます。そこでは関連するピッチのバリエーションを試すこともできます。 ここでチューニングシステムを作成して、エクスポートも可能です。 すべてのチューニングシステムに外部のwebページがあるわけではないことにご注意ください。使用できる関連リンクがない場合、矢印ボタンが灰色表示になります。
[チューニング]セクションでファイルを選択して、Delete キーを押すとファイルが削除され、12平均律のチューニングに戻すことができます。
15.3 チューニングシステムのMIDIトラックオプション
チューニングシステムを読み込むと、MIDIトラックの[入力/出力]セクションにチューニング用のオプションがいくつか表示され、トラックとコントローラーの設定をカスタマイズできるようになります。
15.3.1 チューニングをバイパス
[Bypass Tuning]を使用すると、特定のMIDIトラックでチューニングシステムを使わないようにできます。

オンにすると、そのトラック内のすべてのクリップで、MIDIノートエディターのピアノロールに12平均律チューニングのノートが表示されます。
Drum Rackを含むMIDIトラックは、読み込まれたチューニングファイルを自動的にバイパスすることにご注意ください。
15.3.2 MIDIコントローラーレイアウト
チューニングシステム内のノートは、12平均律のレイアウトと異なる場合があるため、[トラックのチューニング用MIDIコントローラーレイアウト]の設定で、どのノートをコントローラーにマッピングするのか指定できます。また、必要に応じてカスタムレイアウトを作成することも可能です。 これは、特定のチューニングを使用する時にレイアウトが変わった場合、外部鍵盤のレイアウトをピアノロールと一致するように再調整するのに役立ちます。

- [All Keys] は、チューニングシステムのノートを、コントローラーのすべての鍵盤にマッピングします。
- [Black Keys Only] は、ノートを黒鍵のみにマッピングします。 このレイアウトでは中心がC#3になります。
- [White Keys Only] は、ノートを白鍵のみにマッピングします。 このレイアウトは中心がC3になります。
- [Closest in Pitch to Keyboard] は、ノートを鍵盤のもっとも近いピッチにマッピングします。
- [Custom Controller Layout] では、コントローラー固有のレイアウトを作成できます。
セレクターで[Custom Controller Layout]を選択した場合、 右側にある[・・・] ボタンを押すと、[MIDIレイアウトの構成]ダイアログが開き、レイアウトの構成を調整できます。

[Custom Controller Layout]はLiveセットに保存されて、リコールが可能です。
15.4 チューニングシステムについてもっと知る
Abletonのチューニングwebサイト では、Live内蔵のチューニングステムの詳細を確認したり、インタラクティブなウィジェットを使用して、独自のチューニングの作成やエクスポートすることもできます。
ASCL形式を使用することで、指定された仕様 にしたがってLive用のチューニングシステムを作成したり、Liveにインポートすることもできます。